食の未来

冬休み明けの初講義。

食の未来について力説。

 

日本人は自然、天然が大好きなので、

養殖モノより天然モノの方が断然好まれる。

養殖ウナギは天然のウナギのベビー(シラスウナギ)を捕まえて

養殖施設で育てたものだということをご存知ない人も多い。

川で育つ(いわゆる天然)より養殖場で育ったほうが栄養満点で美味しいかもしれないのに。

 

ウナギは何かとミステリアスなのでこの話は場を改めることにして

 

どうであれ食の未来は暗い。

 

多くの食物で進む品種改良のすべてが必要かどうかは疑問だが、

少なくとも魚介類においては、養殖技術と品種改良は必須である。

品種改良といっても選抜育種と染色体操作による改良は異なる。

遺伝子組換え魚の商品化はまだまだ先だろうが、

あれもいや、これもいや、天然がいい、自然がいい、と言っていては

食糧は間違いなく不足するだろう。

 

学生たちには危機感を持ってもらいたい。

 

農業は有機か無農薬、漁業は天然モノに限るととか

地産地消だ、スローフードだと言うは易しである。

 

現実の食生活を中心とした人々の生活環境をしっかり見るべきだ。

風評に踊らされて食の理想や未来を語るのは危険なのだとつい力が入った。

 

地球は小さい。人口は多い。気候は不安定。

どうするのだ?

考える大人になってほしい。

 

2コマ終えて外に出たら日はすっかり暮れていました。

久しぶりの講義で疲れすぎ、

まっすぐ帰途につけず、書店で気持ちを整え、

ワイン屋さんでラベルウオッチングをしてから家路に。

 

さてね、学生さんたち、考えてくださいね。

食の未来はあなた方が作るのですから。